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Posted by チェスト at

2008年09月29日

道筋

ボクは君に勝てない

君はボクに勝とうなんて思っていないから、
ボクは君に勝てない。

君はいつもボクを勝たせようとするから、
ボクは君に勝てない。



運転しながらふと思った。
いかに自分が周りの人に生かされているかと。

そんな支えに頼ることなく、だけど感謝して生きていこう。
当たり前の存在こそ大切にしていこう。



昨日は市民文化ホールにて鹿児島の伝統芸能イベント。
佐仁の八月踊りの迫力に心から感動した。

男女が歌を掛け合い、踊り太鼓を打ち鳴らす。
まだ三線がない時代から続く、神祭りの絵が浮かんだ。
人の声こそ、同じもの二つとない究極の楽器だ。

島では海の向こうから稲の魂がやってくると信じられている。
「ヒメとヒコ」のための資料を読みながら、
だんだんと一本の道筋が、形となって見えてくる
そんな気がした。



現実に足を取られるばかりでもなく、
夢に浮き足立つばかりでもなく。

夢と現実はしっかりとつなげて。





  


Posted by taro at 11:18Comments(2)音楽・舞台 音楽

2008年09月24日

黒潮横断セーリングカヤック

かごしま環境未来館がいよいよオープンする。
このチェストブログにもトップページにバナーが出来た。

オープニングイベントでは、ボクも歌で出演するのだが、
それにもまして楽しみなことがある。
ボクの憧れのアウトドアメンがやってくるのだ。
帆を立てたシーカヤックと一緒に。


仲村忠明さんはシーカヤックガイドでは日本の第一人者。
簡素優雅をモットーに生き方、その立ち振る舞いに憧れる。
ボクは仲村さんのところでシーカヤックの旅にはまってしまった。

ホーボージュンさんはアウトドア雑誌で多数の連載を持ち、
その文章はいつもボクを野外へと駆り立ててくれて困っている(笑)!
BE-PAL(小学館)では、「OFF THE ROAD ミーニシと渡り鳥」が大絶賛連載中。
鹿児島〜沖縄へのカヤック旅が綴られている。
ぜひ今すぐ読んでほしい。

大瀬志郎さんは、琵琶湖でカヤックのガイドをしており、
多くのカヤッカーから”兄貴”として慕われている人。
以前、月夜の浜の相撲大会で投げ飛ばされはしたが(!)、
本当に素敵な”気は優しくて力持ち”的タフガイである。


この三人が、昨年秋のそして雑誌連載中の、
黒潮横断セーリングカヤックの旅について語ってくれる。
そして、試乗会まで開いてくれるのだ。

昨年の秋、旅の途中で鹿児島に寄った仲村さんに
鹿児島のみんなにこの旅の話をしてほしいと話した。
それが、一年後に実現する。
夢は願い、動けば叶うもの。


10月11日〜13日の連休はぜひ一緒に過ごしましょう!


環境未来館会館記念フェアブログ
http://ecomirai.chesuto.jp/

仲村忠明さんHP
http://www.qajaqcentre.com/

ホーボージュンさんブログ
http://hobo.air-nifty.com/hobodays/

大瀬志郎さんHP
http://granstream.jp/


「黒潮横断セーリングカヤック/スライドトークショー」
10月12日(日) かごしま環境未来館 17:00〜(予定)

10月13日(祝) セーリングカヤック試乗会(磯ビーチ) 
(お問い合わせ/DRIFTWOOD 099-222-5935 driftwood@lime.ocn.ne.jp)









  


Posted by taro at 10:54Comments(0)自然・エコ

2008年09月18日

台風ごうごう

朝一番の打ち合わせを終えてきた。
鹿児島市の国際交流課が中心になって行う
「かごしまアジア青少年芸術祭」の打ち合わせだ。

昨年に引き続き演出で関わることになり、
頻繁にミーティングを繰り返している。

今年の担当Nさん、連夜の作業で疲労困憊の様子にも、
目だけは輝やいている。
「いいイベントにしましょう」
そのゴールさえ共有できていれば、
相手が公務員だろうが、職人だろうが関係ない。
お互いプロとして、気持ちよく仕事ができるというものだ。
仕事はまず目標の共有だと感じる。

今年は吉俣良さんを迎えた音楽祭、
河頭中のエイサーとの競演など、
昨年にひけをとらない内容になっている。
もちろん海外からのゲストは、どれも高レベルだ。

かごしまアジア青少年芸術祭は
10月18日(土)宝山ホール 12:30-17:00
10月19日(日)中央公園 13:00〜17:00


台風が接近中の鹿児島。

途方も無い自然のエネルギーを
ボクら南の住民は肌で感じることができる。

太刀打ちしようの無い大きな自然の前で、
人は少しだけ謙虚になれるのだろうか。

ごうごうと台風がやってくる。










  


Posted by taro at 12:19Comments(3)音楽・舞台 音楽

2008年09月17日

故郷のにおい

高校生ミュージカル「ヒメとヒコ」の稽古が始まり、
毎週の大隅通いも始まった。
またこの季節が来たんだなぁとしみじみ思う。

鹿児島市からフェリーで対岸の大隅半島に着くと、
明らかに空気が変わる。

漁村、農村のおだやかな景色もそうだが、
ボクは畑のにおいが好きだ。
土のにおい、肥料のにおい、枯れ草を燃やす煙のにおい。

嗅覚は、視覚よりも力強く心に訴えかけてくる。
ぷぅんと匂う、田舎の空気を深く吸い込んだ。



本番の舞台の派手さから想像もつかないほど、
日々の稽古は地味である。
小さな部屋で台詞の意味、曲のテーマを
ていねいにていねいに読み解いていく。

一曲を何度も何度も歌う。
その作業にボクが飽きてしまうなら、
それはもう終わりの時なんだろう。
3時間の稽古に往復4時間かけて通う日々を、
それでも一番好きなことをやっているという
強い想いがささえている。


境遇に不平不満をこぼすのではなく、
目の前の一人に全力を尽くせ。
明るく笑って稽古を終えたなら、また一人、
きっと次の一人がやってくるはずだ。


帰りのフェリーで台本を読み返しながら、
まだ遠い本番二月の空を思った。










  


Posted by taro at 11:43Comments(4)音楽・舞台 音楽

2008年09月13日

流れ星に誓う。

小学生の頃読んだ椋鳩十著「孤島の野犬」

以来、甑島は他の島々とはどこか違う、特別な場所であり続けた。
青い海や、白い砂だけではない、どこか神秘な島として。


今年、8月12日。
ある島の若者との約束を果たしに、ついに初上陸を果たす。
約束とは、「じょうやま音楽祭」への出演であった。

以前の記事でも書いたように、島では
KOSHIKI ART PROJECTとして、島出身の美大生たちが
動き回り、島へ毎夏若手アーティストたちを招聘している。
今年で5回目を迎えるこの試みに、音楽の部が加わったのが「じょうやま音楽祭」
じょうやまとは亀城跡という城趾の場所を指す。
島の人とよその人とが、手弁当で作りあげた記念すべき第一回の音楽祭だった。


それにしても・・・
一度は完全に出演をあきらめた。

ボクの出番前に、雨がざぁざぁと降り出していた。
事前の天気予報も完全に雨。

オープニングでは島に伝わる伝統の雨乞い芸能まで披露されている。
これがまた効果的なのだそうだ。

「せっかく来たのに、これ以上お客さんを雨ざらしにする訳にもいかない。」

そう思い始めた頃、少しずつ雨は小降りになる。
島の子どもたちによる詩の朗読が終わる頃には、雨は上がっていた。

急いで、ギターにシールドをさしこみ、スポットライトの下へ出て行く。
雨雲は奇跡的に移動しはじめ、ボクは無事にステージを終えることが出来た。
島のお婆ちゃんも、若者も手を取り合って踊ってくれた。

歌い終わり、アンコールの拍手を聞いていると、
なんと雲の切れ間から満月の光が差してきた。

ボクはとっさにスタッフにお願いし、発電機を落としてもらった。
すべての照明が落ち、しーんと静まりかえる会場。
だけど満月の灯りは、充分にお客さんの顔を照らしてくれていた。

「せっかくの月明かりだから、音響はなしで、この明かりで歌います」

ボクはアンコールのステージに立った。

歌いながら、鳥肌が立っていた。
月明かりは幻想的に山肌を照らしていた。
ボクの声だけが、森の中でこだましている。
みんながじっと聞いていてくれている。

ありがとう。
ありがとう。
心の中で繰り返した。
誰に対してなのかは分からない。
ただとにかくありがとうと・・・



片付けもすっかり終わった後、出演者やスタッフと
漁港の電灯の下に集まり、打ち上げをする。

東京に住む島出身の学生が言った。
「美術の先生になって島に帰ってきます。」

高校からは島外へ出て行かねばならない甑島。
だからこそ、こんな祭りが必要なんだと思った。
一年に一度、自分の夢を確認する、
つながりを確認する、そんな若者の祭りが。


流星群のピークだったその日の星空。
ボクらは港に寝転がり、みんなで夢を語った。

  


Posted by taro at 17:28Comments(7)音楽・舞台 音楽

2008年09月08日

巨匠・坪山 豊

巨匠・坪山豊は、花だった。



奄美・島唄の第一人者として今も現役で活躍する坪山さん。
名瀬でのライブの前にお宅にお邪魔させてもらった。


唄者として有名な坪山さんの本業は船大工。
そしてそれは島で最後の一人でもある。
ボクは沖縄の仲村さんから預かった
サバニ帆走レースの映像を手に、
すこし緊張してお宅に上がり込んだ。

琉球の海域を自由に走り回った南の和船・サバニ。
今年で9回目を迎えたサバニレースは全国から海の男たちが集う
そんなビッグイベントになりつつある。

八重山諸島から奄美まで、サバニ文化圏のうち
まだこのレースに参加していない奄美の、
つまり坪山さんの船でレースに参加してほしいとの想いを、
仲村さんに代わって伝えにきたのだ。


「おじちゃん、漕ぎ手はボクらでなんとかするから、
 ぜひ船を出して下さい。」


瞬間、巨匠は満面の笑みでこう言った。


「若いのは漕ぎ方を知らないからね、
 ボクが出るよ。」

「ほ、ほんとっすか〜!?」



その後は、島唄の話、故郷の話、あんな話こんな話と話題はひっきりなしだった。
初めて会うボクに、なんの壁も作らずに丁寧に丁寧に話してくれた。
花のようにやさしい方だった。


喜びも悲しみも・・・
全ての色の涙を歌い尽くした名人の、
そんな大きな大きな花びらが、今もボクの心に揺れている。








  


Posted by taro at 14:55Comments(1)音楽・舞台 音楽

2008年09月03日

先生の一言

沖永良部島。
奄美大島と沖縄のほぼ真ん中にあるサンゴ礁の島。

夏の離島ツアーで訪れた島の一つだ。

この海の青さ!


ここは野田知佑さんもよくキャンプをしていた場所だ。
リーフの内側はプールのように静かで、
それでもサンゴの間に無数の魚たちが泳いでいる。
リーフに立つと、目の前をウミガメが泳いでいた。



話は中学三年に飛ぶ。
担任の長田先生は若い、島出身の先生だった。
はじめて先生の家でビートルズを聴いたのを覚えている。

担任であり陸上部の顧問であった先生は、
いつもクールで女の子たちからも人気があった。

卒業式の日、体育館での式が終わった後、
教室に戻ると最後のホームルームがある。

あんなにクールな先生が、初めてボクらの前で涙を見せた。
号泣していた。
そして最後の言葉は一言だった。

「故郷を誇れる人になってください。」


今、ボクが故郷にこだわって活動しているのは、
その先生の言葉がどこかに残っていたからだろうか。

島では先生を知る方たちが多く声をかけてくれた。
確実に言えることは、その中学時代と今が
一本の糸でつながっていることだ。

数十年たって、はっきりと見えるなつがりもある。
そんなことを思った沖永良部への旅だった。







  


Posted by taro at 12:41Comments(4)音楽・舞台 音楽

2008年09月01日

いい夏

子どもの頃のような夏休みだった。
もちろん遊んでいたわけではないが、
夏にしか出来ないことを存分にやったという意味で。

合計20日間の島旅。
出会った人、感じたこと、
また少しずつブログに記していきたい。

さぁ九月。
これもまた子どもの頃のような新学期の気分だ。
新学期初日、幸先よい連絡が。
MBCニューズナウの今月のエンディング曲に、
「恋のそら」が選ばれた。
素直に嬉しい。

音楽は歌い、歌われ、その命の輝きが増してゆく。
自分の作った歌たち、一生付き合い
育てていきたいと思っている。

10年前に作った歌を今歌うとき、
あの時の自分があっという間によみがえる。
情景までもが浮かび上がる。
そんな景色の見える歌をいつまでも歌っていきたい。


それにしても、いい夏だった。

いい夏をいい秋へとつなげよう。



加計呂間島の名もなき浜に咲き乱れるアダン
  


Posted by taro at 16:00Comments(4)自分のこと