えらぶ百合物語。
今日、沖永良部入りした。
昨年から、毎月毎月通ったこの島も、今回が最後。
そう、新作ミュージカル「えらぶ百合物語」の本番がついにやってくる。
沖永良部との出会いは三年前。
島唄の永志保が、以前教員として赴任していたつながりで、
ライブや夏祭りに参加させてもらった。
そしてエラブと言えば、以前にもブログに書いたが、僕が最も影響を受けた中学の恩師の出身地。
沖縄とほど近い気候と文化。
優しく穏やかな人々。
僕はすっかりエラブの虜になった。
「ヒメとヒコ」以来、約3年ぶりの新作。
僕は特に大好きになったエラブのある歌を題材に選んだ。
有名なエラブ百合とそれにまつわる史実や寓話。
そこに得意のファンタジーをたっぷりと織り交ぜて作りあげた新作。
えらぶ百合物語は今週の土曜日、たった一回きりの本番を迎える。
エラブの子どもたちに会うと、何かを思い出す。
大隅とはまた少し違う何かを。
自分の高校時代。
一生懸命だった。
部活に、勉強に、恋愛に。
そして”今という一瞬に”。
ともすれば忘れがちな、あの頃の熱を思い出す。
エラブの子たちが、汗をふりまき、大声でエイサー太鼓を打ち鳴らす姿を見ていると。
学校が終わると一秒も無駄にしたくないという感じで、ダッシュで稽古場に来る姿。
僕の言葉の一つ一つを決して聞き漏らさないと、真剣な眼差しを向けてくれることで。
忘れてはいけないと思った。
舞台の世界に初めて触れ、無性に身体が熱くなった頃の思いを。
下手なギターをかき鳴らし、初めての一曲を書いた時のことを。
16000円のアパートで書いた曲を。
島は情報も少なく、物流も間違いなく少ない。
だから何だというのだ。
地元を愛する純粋な若者がたくさんいる。
振り回されないブレない若者が多くいる。
そして今を生きる幸せを素直に感じ、他人にも渡せる若者がたちが。
豊穣だ。
人の優しさが。
夢や希望や生きる力が。
そんな島に通った日々もこれが最後だ。
あと三日。
子どもたちはこの三日間で激変するだろう。
何度も見てきたが、今度もそうだろう。
初めての本番。
チケットは座席数分がたった一週間そこらで売れた。
週末、僕は初めて舞台に出会った”あの頃”の気持ちで演奏する。
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