キャスティング2010

taro

2010年08月17日 10:47

二年間、存在感を示してきた先輩たち卒業の後、
ようやく松山公演のキャスティングが始まった。
ただしヒメヒコでは特別なオーディションは行わない。
日々の稽古、つまりは僕と過ごす時間の全てがオーディションなのだ。

これはある意味、相当厳しい。
普段の言葉使いや所作、表情、態度
舞台に立つなら美しさにだけはこだわろうと話している。
つまり日々意識するクセをつけよう。
舞台に立つ者として、そこだけはこだわろうよと。


僕はヒメヒコに参加してくれる高校生たちに、
”主役バカ”にだけはなってほしくないと思う。

これまでの三年間、主役を演じてきた子たちにはみな共通することがある。
それは、たとえどんな役でも喜んで演じたであろう、懐の深さだ。
決して自分の立ち位置だけでなく、チームを重んじた彼らの周りには
仲間たちがいつも集まってくる。
それは舞台人としての”花”というやつなのかも知れない。

さらに彼らは僕の後を追おうとはしない。
僕の見ている場所を見ようとしてくれた。
演出家が何を大事にしたいのかをちゃんと想像、共有してくれていたように思う。


なってみると分かる。
主役を張るのはけっこうしんどい。
目立ちたい気持ちだけでは、とてもつとまるものではない。

常に全体を見渡す視点、仲間を背負ってでも引っ張っていける体力、どんな境遇にも絶えることのない笑顔。

”その覚悟”のある者をしっかりと見極めること。
キャスティングとは、僕が試すことであり、僕が試される場なのだと痛感している。
















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